追憶の愛情~想い出せない貴方へ~



昨日家に帰り着いた時

海斗は家にいなかった。

私が置いていった携帯で海斗に電話を掛ければ
海斗はすぐに携帯に出て…

すぐに家に帰ってくると
相当慌てて走ってきたのか息を乱したまま
私を抱き締めてきた。

"姉ちゃん、ごめん…。
嫌な事聞いて思い出させて…本当にごめん"

海斗はずっと謝っていたけど

元はと言えば私が記憶を失くしてから
海斗にずっと辛い思いをさせていた訳だし…

私が海斗に響さんの事を聞いてしまったから
こんな事になってしまったんだ…。

私はそう思いながら
海斗をぎゅっと抱き締め返し

"…海斗、実はね、
私、ずっと海斗に隠してた事がある"

そう言って今まであった事の全てを語った。