追憶の愛情~想い出せない貴方へ~


私はそんな海斗の手を優しく握れば
海斗は私とゆっくりと目線を合わせた。

「…海斗、
柏木組の人達皆が悪い訳じゃないよ。
…少なくとも、私達が幼い時に出会ってた
響さんや啓君は優しい人だし…
私を犯してきた人とは関係ないから...」

私がそう言うと
「…そんなの、分かってるけど、」
海斗は何かを堪えるように
ぐっと唇を噛んでいた。