追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…響さん、今日はもう帰りたい。
きっと海斗が心配してる…」

私が泣きながらそう言えば 

「…うん、分かったよ。
ごめんね、無理やりキスして」

響さんは私の頭を優しく撫でた。

「…私の方こそごめんね。
2人の事をずっと忘れて、傷付けて…
本当にごめんなさい…」

私が必死に謝っていれば

「ゆづは何にも悪くないよ。
…ずっとゆづの事を忘れられなくて
無理やり会って嫌な記憶を思い出させたのは
俺らのせいだから。
…記憶が戻らない方がゆづはこんなに苦しい
思いをしなくて済んだかもしれないのにね。
全部…俺らの我が儘のせいだよ」

響さんは複雑そうに言いながら
きっと涙でぐちゃぐちゃであろう
私の顔をじっと見ると