追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「啓く、」

…また拒絶をされた。
私は悲しく思い彼の名前を呼ぼうとすれば

啓君の顔は真っ赤になっており
片手で口元を押さえていた。

「…啓君、顔が赤いよ、」

私もそんな啓君を見て顔を赤くしていれば

「どうしてこんな事するんだよっ!?」

初めて啓君が大声で怒っているのを聞いた。

「…啓君の事好きだから、」

私が素直にそう言えば

「俺は若の事を裏切れないんだよっ!!
これ以上俺の心を乱すな!!
早く柚月の事忘れたいのに、
こんな事されたら忘れられないだろ!!」

啓君は苦しそうに言葉を放った。

…啓君もずっと辛かったと思う。
私を想うばかりに我慢して苦しい選択ばかり
させて、申し訳ないとも思うけど、