追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「こんなに貰えませんよ…。
もう借金も無いですし、弟を養うだけですから
月に20万くらいあれば十分です」

…響さんは会う度に私にいつも
このくらいの金額をくれる。

週1回、週に3回会う時もある。
生活に必要な金額の倍以上は既に貰っている。

「花にも好きな物を買って欲しいし。
それに今はお金でしか繋ぎ止められないから。
これで花を独占出来るなら安いもんだよ。
ただ…このお金を他の男と遊ぶのに使ったら
許さないよ。即座に監禁するから」

そんな怖い事を言われ差し出された封筒を
私が恐る恐る遠慮しながらも受け取れば

「じゃあまたね、花」

そう言われ、唇に軽くキスを落とされた。

「…はい」

私が静かに頷けば
響さんは満足そうな顔をしながら
先に部屋から出る私を笑顔で見送ってくれた。