追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…柚月は若に思い出した事を言え。
…ただ若は、柏木組の男に柚月が犯されて
記憶喪失になっていた事は知らない。
…そんな事を言ったら若は激怒して柏木組内で
かつてない争いが巻き起こるかもしれないから、その事だけは伏せてほしい…」

「…そんな、」

「…話が長くなって悪かったな。
俺の事はもう忘れて若と幸せになれよ。
俺は…ちゃんと今まで通り"柚月さん"って
敬語で話すから」

啓君はそう言うと優しく笑って

「…柚月の幸せを、
ずっと傍で見守ってるから」

切なくそう言うと、
私の頭を撫でて離れ

ベッドから降り
また部屋から出て行こうとした。