追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

…違う。勘違いではない。

そして突然
私は重なるようにもう1つの記憶を思い出した。


私が啓君の家にお邪魔するようになった時
啓君は度々、もう1人の男の子を
家に連れてくるようになった。

"ずっと逆上がりを教えたかった子は
この男の子だよ"

初めて啓君に紹介された男の子。
その男の子もとても綺麗な顔立ちをしていた。

啓君は私にそう言うと
今度はその男の子に

"私は彼女のおかげで逆上がりが出来るように
なったんですよ。
だから私が教えてあげますからね"

なぜか敬語で話し掛けていた。