追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

私がその男の子の方を見て

「…どう?もっとお腹を棒にくっ付けて
足をもう少し上にあげれば
貴方もちゃんと出来るよ!」

私が笑顔で言えば
その男の子はなぜか顔を赤くしていた。

「…え?どうしたの?」

私がきょとんとしていれば

「…いや、お前、今パンツ見えたけど。
今日スカートだけど格好分かってやってる?
…俺にそれ見せたくてわざと
逆上がりしたの?」

そんな恥ずかしい事をからかうように言われ
思わずスカートを押さえながら
私まで顔を赤くした。

「ち、違うよ…!
ただ、貴方が逆上がり出来るようになる為に
お手本見せただけだし…。
つい格好忘れてただけだからね…!」

私が焦っていれば

「ホント馬鹿な奴だな。まぁ…いいけど」

そう言いながら横に来て
彼も鉄棒を掴むと

「…お前、名前何て言うの?」

今度は彼の方から
私をじっと見つめてきた。