追憶の愛情~想い出せない貴方へ~



そんな契約をして早3ヶ月が経った今

響さんは基本的に週1回、
多い時で週3回のペースで
私を最初に出会ったホテルにずっと呼び出す。

でも時間帯は決まって平日の昼間。

…響さんが
何の仕事をしてるのかも未だに分からないし
聞く勇気もない。

あんな大金がすぐに用意出来るなんて…
どこかの企業の社長とかなのかな…。
でも、それにしては若すぎるような…。

それに奉仕すると聞いていたから
性欲処理かと思えばそうでもない。

響さんは私と会って少し話して
あとは抱き締めて寝るだけ。
キスも…本当にたまに深いのをするだけ。

そういう行為を全くしてこない。

別にそれは良いんだけど…

響さんはどうして
私の事を知っているんだろう…。

出会った時の話をせず、
どうして私に思い出させようと
しているんだろう…。

私は全く思い出せないのに。

本当に…響さんの想い人は私なのだろうか。

スヤスヤ眠る響さんの寝顔を
じっと見つめていれば

ふと、携帯の着信音が鳴り響いた。