「…え、?」
なぜかその言葉にドクッと心臓が高鳴る。
それは嫌な胸の音ではない。
何だか…凄く懐かしいような、
甘く切ない感覚。
響さんには甘い言葉は何度も言われて
ドキドキしているけど
それとは少し違う…安心感に似た感覚だった。
それにあの啓さんに
呼び捨てで呼ばれた事に驚いて
ずっと視線を合わし続けていれば
「…あ、いえ、突然すみません。
若なら…混乱している柚月さんにこう言われるかなと思いまして」
啓さんは一瞬動揺し視線を反らしたが
また目線を合わせ優しく微笑むと
「若は…当時小学生の柚月さんの事を
"ゆづ"と呼ばれていたようですよ。
転校先で出会った柚月さんに
優しくされて恋に落ちたようです。
若の事…何か思い出しませんか?」
どこか切なく私に告げ
なぜか愛おしそうにまた抱き締めてきた。



