追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…海斗?」

私が名前を呼べば
海斗の顔色は青冷めており
かすかに身体が震えているような気がした。

「ど、どうしたの?大丈夫…!?」

私は心配になり海斗の手に触れようと
手を伸ばせば

逆に海斗の方から
私の手を勢いよく掴んできた。


「…姉ちゃん、その人の事…思い出したの?」


すると海斗はどこか怯えたような
私をひどく心配するような瞳で

そう静かに呟くように聞いてきた。