追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

すると響さんはクスクス笑いながら
案外すんなりと離れ

「…今日はもう寝るね。
本当に花の傍だったら安心して眠れるよ。
…自分の部屋に花がいるなんて
まるで夢みたいに嬉しい」

そう言って私と手を繋ぐと
そのまま横になった響さん。

…いつもは私を抱き締めて寝るけど
この前私が体調を悪くしたのを気にして
手を繋ぐだけにしてるのかな…。

「花、体調は大丈夫?
体調悪くなったらちゃんと言うんだよ?」

やっぱり響さんは
あの時の事を気を遣っているようだった。

「はい…あの、
私抱き締められて寝ても大丈夫ですよ?
その体勢の方が響さんも安心するんじゃ…?」

私がそう言えば

「大丈夫だよ。
花が傍にいるだけで安心出来るから。
…確かにもっと触れたいけど
今日はこれで大丈夫…」

響さんはそう言いながら
ゆっくりと目を閉じて眠りそうになっていた。