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思い返せば、胸やけがしそうなほど個性的なメンバーだ。よくあれで仲良くやっていけるなあ、なんて感心してしまう。ああでも、今までは透冶くんが手綱を握ってたんだっけ……。となると、透冶くんがいなくなってから余計にまとまりがなくなってしまったのでは。ふむ、と回らない頭で考える。実際、あの三人を繋ぎとめているのは透冶くんが死んだ理由の究明。つまり、生きているか死んでいるかという点で違うとはいえ、未だに三人は透冶くんを中心に繋がってるんだ。
「……どういう人、だったんだろ」
真面目で、気が弱くて……。あとは生徒会役員だったんだっけ。正確には生徒会役員補佐、一年生だけにある役職で、九月にある生徒会役員選挙の前に生徒会の仕事をちょっと肩代わりして体験するものにも就いていたらしい。五月から部活の代わりにすることができるものらしくて、本入部届の説明がホームルームでされたときに一緒に聞いた。透冶くんは会計役員補佐で、九月の生徒会選挙で会計役員に就任、そして十一月に突如辞めさせられた。そのときに生徒会役員を辞めた人は透冶くんだけじゃなかったらしくて、生徒会がいまの状態に一斉に塗り替わった合図のようだったという。
「……二ヶ月の間に何があったんだろ」
くて、と首を傾けた。あぁ、頭が痛い。こんなんじゃBCCに出ても上手く桐椰くんの魅力とか喋れないな……。そもそも桐椰くんの魅力って何だろう。取り敢えず顔は良いけれど、とても他人にアピールできるものじゃないから却下だ。感情の起伏が激しくて横暴……と言うと悪口だ。何でも表情に出て分かりやすくて可愛いとか言ってあげればいいかな。あ、あとはコーヒーが飲めなくて、甘いものが好きだけど恥ずかしくて中々頼めないところも可愛いってことにしておこう。他には……。
「……あれ」
ふと、視線の先に何かあることに気付いた。視線の先にあるのは木造の棚だけれど、下から二番目の棚の天井に何かが貼ってある。こんなところに座り込まなきゃ気付かない。きょとんとしたものの、薄暗い中で目を凝らしてみれば、ビニール袋に入った白い封筒だ。それが太めのセロハンテープで貼り付けてある。



