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「あのね、彼方は知らないかもしれないけど、花高は生徒会が一番偉いの。生徒会に逆らう生徒はみんな虐められるの」
「それなら知ってる」
「話が早いねっ、それで私は生徒会の敵として虐められてたんだけども」
「は? 女を虐めるヤツは俺が地獄に落とす」
「だから話を最後まで聞いてよ!」
本当に全然桐椰くんと似てない。一瞬にして鬼の形相になった彼方をどうどうと諫める。
「松隆くんが御三家の仲間になるなら虐められないように守ってあげるって言って。その対価が御三家と一緒に透冶くんの事件の真実を探ることなの。あ、御三家っていうのは──」
「遼と総くんと駿くんの三人のことだろ。知ってるよ」
「あ、そうなんだ?」
「あぁ。知ってるけど……」
そこで彼方は小さく呟く。
「アイツら、分かってて名乗ってんのかな──…」
「……どういうこと?」
意味深な言葉に眉を顰める。彼方の横顔に暗い影が落ちたこともあって、余計に不可解な気持ちになった。
「……いや、なんでもない。んで? 事件の真実を探るに当たって、遼とカップルごっこしながら生徒会のスパイでもやってんの?」
「えーっと……なんだかよく分からないんだけど、文化祭でベストカップルコンテストっていうイベントがあって、それで優勝したら生徒会が知ってることを教えるって言われたから……」
「……ふーん。なるほどね」
でも何も教えてくれない。状況だけは一方的に把握された。彼方は、何か知っている。それが透冶くんの事件の真相なのか、ただ御三家に纏わる何かなのかは分からないけれど。
「……透冶くんのこと何か分かった?」
「……まだ何も。でも松隆くんが透冶くんが生徒会で会計やってたから、学校の予算の誤魔化しを生徒会がしてて、それを透冶くんが死んじゃったから口封じに殺されたんじゃないかってこともあり得るとかなんとか……」
「……そっかあ」
はあー、と彼方は重く深い溜息をついた。その溜息の意味は私には分からない。
「……悪いことは言わないから、やめとけば? 首突っ込むの」
「……え?」
目をぱちくりさせると、彼方は頬杖をついて横柄な態度になる。そんな態度をとると、その雰囲気は桐椰くんによく似ていた。
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