「……そ、それより、彼方って松隆くんとか月影くんとかとも仲良しなんだよね? 幼馴染、みたいな?」
「あー、総くんと駿くんか。懐かしいな、最近会ってねーや。うん、仲良し仲良し」
ソウくんにシュンくん? あの二人を捕まえてそんな風に馴れ馴れしく呼べるのは彼方くらいだろう。
「……じゃあ、透冶くんのことも知ってるの?」
「……知ってるよ」
まるでその秘密まで知っているように、彼方には珍しい、落ち着いた声が零れた。
「遼はいっつもアイツらと遊んでたからさ。小学生の時からずっと」
「……そうなんだ」
「つか、何で亜季ちゃんそんなことまで知ってんの? 転校してきたのって透冶くんが死んだ後だろ」
うっ、と詰まる。それもそうだ、桐椰くんが幼馴染が自殺したなんて言いふらす人じゃないのは兄である彼方がよく知ってるはずだ。ことの顛末を全部話していいものなのか……。でも彼方は透冶くんが自殺した理由まで含めて知ってそうだし、いっそのことここで聞いてしまえば解決するのでは……。
「その……実は彼方の弟さん達と一緒に透冶くんが死んじゃった原因を探ってて……」
「は?」
彼方の口から頓狂な声が出た。それもそうだ。
「じゃあ遼のこともよく知ってんだ?」
「……それが……色々あって今付き合ってることに……」
「はぁ!?」
そして私の肩を掴んでガクガクと揺さぶった。
「何でだ!? 何でアイツなんだ!? 亜季ちゃん俺が何言っても全然口説かれなかったくせに何で遼には口説かれてんの!?」
「口説かれてないよ最後まで話を聞いてよ! 大体彼方はチャラ過ぎるんだってば! 口説き文句が本心でも誰彼構わず口説いてたら相手にされないに決まってるじゃん!」
「本心なのに!?」
「そうだよ!」
とにかく、と一度彼方の手を引っぺがす。桐椰くんとよく似た大きい手だった。



