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もういい。夏目漱石って書く。私の答えに桐椰くんが合わせるってじゃんけんで決まったもんね! 私の責任じゃないもんね!
「はい、じゃあ回答オープン! お猿さんチーム、西野圭吾と無川浩、残念分かれました! 次に雉さんチーム、伊藤幸太郎と──彼女さんは空白ですね、残念時間切れだったのでしょうか?」
そっか、小説読まない人もいるよね、うんうん。
「そして犬さんチーム、お二人共夏目漱石! 10ポイント獲得! ここでお猿さんチームを抜いて一位になりました!」
……どうやら、私と桐椰くんは、存外相性がいいらしい。
「まさか出てくるのが夏目漱石とはお二人とも渋いですね。さすが御三家、その格の高さを示すニックネームに恥じない教養をお持ちということですね」
厚木さんが媚びるような褒め言葉を並べ、「では次、第九問!」と何事もなかったかのようにクイズを再開した。
「好きな鍋の具! まだまだ鍋の季節は終わりませんからねー」
予習通り、えのきだ。桐椰くんも背後で腕を動かす気配がする。
「お猿さんチーム、豚肉と豚肉、10ポイント獲得! いいですね、さすが運動部らしく肉食系といったところでしょうか。雉さんチームは白滝と白菜! 分かれますねー残念! 犬さんチームはえのきとえのき! 相性ばっちりですね、10ポイント獲得!」
これで各チームのポイントはお猿さんチームが70ポイント、雉さんチームが40ポイント、犬さんチーム──私達が80ポイント。これで最終問題に正解すれば勝ちだ。
「では最終問題! 雉さんチーム、気を落とさないで頑張ってくださいね! では! フェチを答えてください!」
──……。フェチ。
「お猿さんチーム、彼女さんは肩! なるほど納得ですねー、ただ彼氏さんは腰! 残念! 雉さんチームはうなじで一致! 中々珍しい組み合わせですが正解しました10ポイントです! では犬さんチームは……」
首を捻って桐椰くんの回答を見た。
「彼氏さんは鎖骨! 彼女さんは腕! 分かれましたね、残念!」
分かれたけど、どうせ優勝だ。ほっと、お互い安堵の息をついた。こんなところで妙に気が合った。
「では最終ポイントを見ると、お猿さんチームが70ポイント、雉さんチームが50ポイント、そして犬さんチーム80ポイント! 犬さんチーム優勝です! おめでとうございますー!」
そうして、最悪の滑り出しだった出来レースは無事終了した。



