第一幕、御三家の桜姫



「えー、では御三家のお二人もBCCに参加されているということで? BCCも含めて意気込みを聞いてみたいと思いますー、桐椰くん、お願いします!」

「優勝」

「ですよねー! 生徒会と御三家のバトル、楽しみにしてますね! ではカップルの紹介も終わったところで説明に入ります」


 とんだ茶番だな、と桐椰くんが呟くから握ってる手を椅子に叩きつけた。ガタッと背後が揺れる。


「テメェッ……」

「だーかーら。運営には媚びを売ってかないとダメだってば」

「意味あるか?」

「嫌われるよりマシじゃない?」

「えー、このようにこちらからお題を出します。全部で十問、一問正解するごとに10ポイントです。解答時間は三十秒です。最終得点の高いカップルが優勝になります。もし同点になったら延長戦に突入しますからねー」


 まあ、なにはともあれ、しっかり予習した私と桐椰くんに死角はない。松隆くんのあの腹黒い笑顔でコロスなんて言われないように必ず高得点をゲットしよう。


「では第一問! 好きなテレビ番組は?」


 はい、予習済み問題来た。答えはロンドン・ハート、通称ロンハーです。と、ペンを手に取ろうとして気付いた。右利きの私の右手は桐椰くんと繋がれている。……思わず暫く静止した。


「……あの、すいません、厚木さん」

「はいなんでしょう、問題に関する質問は受け付けませんが」

「……利き手が塞がれてるのですが一時的にブレスレットを外してもらえませんか」

「トイレ休憩以外は外せないことになってます」


 悪魔のように厚木さんが微笑んだ。プッと笑い声がどこからか聞えた。ついでに背後から舌打ちが聞えた。


「そのくらい頑張れよ、どうせ字綺麗なわけじゃねーだろ」

「遼くんは利き手が空いてるからそんなこと言えるんです! ていうか私のほうが遼くんより字綺麗だからね? 遼くんが利き手塞げばよかったのに!」

「知るかそんなこと! 何も考えずに右手出したお前の責任だろ! いいから早く答え書けよ!」

「あ、言い忘れましたけど」


 厚木さんが口を挟んだ。


「解答中の会話は不正行為にみなされますので、犬さんチームは今回の問題に関しては0ポイントですね」


 …………。