受付が済んでいくカップルに視線を戻した。あの人たちはみんな本物だ。
「……狡い」
「あ?」
「なんでもないですーう」
こんなくだらない子供だましみたいなイベントでも、本当に好きな人と一緒に来るだけでどんなに楽しいか、どんなにわくわくできるか……。でもきっと、私が私の好きな人とこんなごっこ遊びをすれば、きっと涙が先行するんだろう。偽物で良かったと、ゴツンと桐椰くんの後頭部にもう一度頭突きした。
「──ではっ、第二回、僕と君の相性はいかが?始まりまーす!」
わーっ、と観客が拍手した。私と桐椰くんは「そんなタイトルだったんだ……」と小さく呟く。競技内容説明に気を取られてて看板になってたタイトルを見てなかった。
「今回参加するカップルはこちら! お猿さんチームは水泳部エースとマネージャーさんのカップルでーす!」
パチパチパチ、とすべきかどうか惑ったときのまばらな拍手が聞える。彼氏が妙にいい体だと思ったらエースなのか。
「お二人はなんとBCCにも参加されてるんですよねー? よかったらこの場で意気込みをどうぞ!」
「え? えーっと……」
「優勝目指して頑張ります、以上です」
「彼氏さんありがとうございます! 頑張ってくださいねー! 次、雉さんチームは三年四組のカップルです──」
突然のインタビューに戸惑った彼女を庇うように颯爽と答える彼氏。うーん、イケメンだ。
「──では最後に、犬さんチーム。おそらくみなさんの関心大本命、御三家のカップルです!」
──沈黙が落ちた。なんでだよ! と私と桐椰くんが内心叫ぶまでもなく、その理由は明白だ。観戦場所にいる女子の目が怖い。厚木さんだって司会者だからちゃんと紹介してるけど、その内心は私が邪魔で仕方がないっていうのが見え見えなんだから。ついでにこの程度なら勝てるって心も透けてる。
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