「―――せっかくですが、すいません。
お断りします。
私にDOLLは必要ありません」
しっかりと芯の通った声で断る彼女
(ダメだ)
これじゃあ
あのバカ餓鬼奏斗がこの世界に期待しちまう
それじゃダメだ、ダメなんだよ。
あいつには強くなって
もらわなきゃなんねぇんだから。
「……すいません、旭兔さん。」
あんたが
いい人間じゃ困るんだ。
奏斗の未来に希望なんてない。
どっかのバカみたいな生き方しかできねぇ
クソな金持ちに飼われて終わる。
一生をそうやって過ごしていくしか
もうあいつには選択肢はねぇんだよ。
金も持ってない奴が奏斗に絶対叶わねぇ
夢見させんなよ。
だから、少し悪い奴になってくれーーー
「…その日、一日中は何でも使えますよぉ?
奏斗みたいな綺麗な顔は
きっともう見れないと思いますが
そんな、奏斗が無料♪
本当は1日なんて数百万はするでしょうに
お嬢さんは夜の相手とか嫌でしたら
洗濯、掃除」
そう願いながら営業のプロのように話しまくる
旭兎に若干引きつつ断ろうと口を開けた時
「…結構で「荷物運びまで!」
「…………荷物運び?」
自分の中で最近で1番の悩みの種。
「えぇ、奏斗はああ見えて強いから結構重たい
荷物でもすんなり持てるし
頑丈ですので大丈夫ですよぉ?」
(最近、次の街に行くって決めたのはいいけど
荷物どーしようかと思ってたのよね………)
この病院街から離れているし誰か訪ねてきても
病気だったり怪我だったりで
誰かに協力もなかなか頼めない。
次の町でも新しい家具を新調するのは
経済的にきびしいし
(極力自分の物を持って行きたい……)
「にやっ」
沙野があからさまに揺らぎ出したのを
察して口角をあげる。旭兎と
「さ、沙野ちゃん?受けないよね?
断るって言ったもんね?
てか、そんくらい僕がするし?」
まずいまずいと冷汗を若干掻きつつ
止まるように宥めるアルフォンス
