DOLL 人形達の物語


そこまで思って旭兔は止まった。

じっと見つめた先にいた奏斗は
珍しくこっちの目を見て睨んでいる。



俺は近づいて奏斗にしか聞こえない声で囁く



「奏斗、1日ですむんです。
ありがたく思いなさい。」







(…ちっ………奏斗。何夢見てんだよ。)




いつも何に対しても無関心なのに
今日は珍しく食い下がらない奏斗に



別にイラついているわけじゃないが
心の中で舌打ちをする。






そんなんだからお前いっつも傷ついちまうんだ。


思い知ればいいどんなに善人面した人間も


欲望には逆らえない






「ーっっ!!!」


俺の最後の一声が決め手でとうとう
我慢できなくなったのか

勢いよく立ち上がりベットから降りた。


よっぽど情けない顔をしていたのだろうか?

誰にも顔を見られないように下を向きながら

出口の方に早歩きで歩いて




バタンッ!!!


行き勢いよくドアを閉め部屋を出ていく


自分の発言でここまで余裕がなくなり
最終手段はお決まりの家出。

まだまだ子供な奏斗に溜息をついた。


沙野をチラッと見るとまだ傷が完治していない
奏斗を本当に心配してくれているようだった。


まあでもクソガキが居なくなって
話がしやすくなった


奏斗が出て行ってこちらとしては好都合だ



さぁ、後は………


「すいませんね、どーも反抗期で」



「……」








「さぁ、沙野嬢。この話「お断りします」





……え」






え。