DOLL 人形達の物語

「……」


(静かになった…?)



今の俺の言葉で逆上するかと思ったが、女は黙り込んで一点を見つめる。



この隙にドアに近づこうと足を動かそうとするが、ベットから身体を起こしただけで体重を支えられずフラフラだ。これじゃあ到底逃げることはできない。



万が一ドアにたどり着けたとしても、鍵がかかっていたら俺は…


(……っ、やばい、クラクラする……お腹刺されたのはまずかった)



血が出続ける傷口をこれ以上血が出ないようぎゅっと握りしめる。





大丈夫。大丈夫だから。

まだ、冷静に考えられる。






が、どうやら、身体は限界らしい。


痛みで視界が歪む。


今すぐにでもこの部屋を飛び出して行きたいところだが


さっきまであんなにヒステリックを起こして
おいて急に静かになった彼女を不審に思う。