花火の時間が迫るにつれて、人がどんどん増えてきたので…手に入れた食料を持って人混みから抜けて瀬戸くんオススメの場所まで向かうことになった。
「いっぱい買ってくれてありがとう」
「ううん、俺が買いたかったから…それにたい焼きとか卵せんべいとか俺が勝手に追加して買っただけだし…気にしないで」
私と手を繋いでいる瀬戸くんは、空いた方の手で買ったもの全てを袋にまとめて持ってくれているのだが…おそらく中で重なり合って、広げた頃にはとんでもない事になっているだろう。
それでも、私に荷物を持たせたくないと言って健気にそれを一人で手に持っている瀬戸くんのことを思うと…もうそれだけで胸がいっぱいだ。
形の崩れたたこ焼きも、きっといい思い出に残ることだろう。
「ここから少し坂道なんだけど…ゆいちゃん足痛くない?ちょっと休む…?」
人が全然いない住宅街を抜けた先の坂道、緩やかな上り坂ではあるが…下駄で歩くのは正直少しだけしんどかった。
それでも花火の時間が迫っているのは私も知っていたので、首を左右に振り先を急ごうと伝えた。



