ゆる彼はエモく尊い【完】



瀬戸くんと共に花火大会の会場に足を運ぶと…物凄い人で、気を緩めるとはぐれてしまいそうだった。


「ゆいちゃん、足痛くない?大丈夫……?」


私を人混みから守るようにして歩いてくれる瀬戸くんは、何度も私の顔を覗き込んで無事を確かめてくれる。



「平気だよ、ありがとう。それより、瀬戸くんは何か食べたいものとかある?」


「俺の食べたいもの…?ゆいちゃん、一択」



人混みを避けながら、当たり前のようにそう呟いた彼は…おそらく無意識。そして自分の発言に気付いた様子の彼はすぐさま私の顔色を伺い、、


「あー…っごめん、つい本音が。いや、本音って言うか妄想…?違うな、願望……?」



決して嘘や冗談だと言わないところが彼らしくて…とても微笑ましかった。




「……じゃあ、たこ焼きとイカ焼き。あとフライドポテトとフランクフルトが食べたい」


「……え…?」


「私が瀬戸くんと食べたいもの。ひとりじゃ食べきれないだろうからシェアして一緒に食べてくれる?」



お祭りデートなんてもちろん人生で初めて。ここはりんご飴とか綿飴とか言った方が可愛いのかもしれないが…私は自分の食べたいと思ったものを正直に瀬戸くんに打ち明ける。