ゆる彼はエモく尊い【完】



「……りょーたん」


俯いてしまった彼の髪にそっと触れて名を呼べば、ビクッと肩を揺らして大袈裟に驚いてみせるりょーたん。



「お店に並んでるのはただのバイト先の仕事として作ってるだけのお惣菜。だけど、りょーたんの為に作るお弁当には私の愛情がたっぷり配合されてるよ」


「ゆ…ゆいちゃ、」


「だから…気にしないで。私の特別はりょーたんだけだから」



なんて、自分で言ってて恥ずかしくなるようなことを平気で口にしてしまい…慌てて彼から手を離しておにぎりを一つ頬張った。



「……あの、結花さん」


何だか妙に赤い顔をしたりょーたんが、私のことをジッと見つめている。



「キス…してもいいですか?」



あの一件以来、こうして確認してくるようになった瀬戸くん。そろそろ慣れてきたのでその都度確認するのは辞めてもらいたいところではある。