「いらっしゃいませー…なになに、彼がもしかして最近出来たゆいちゃんの彼氏?」
佐々木さんはお母さんくらいの年齢の人で、噂や恋バナが大好きな可愛らしい人。友達みたいな感覚でよく恋愛相談をさせてもらっていたことを、今この瞬間とても後悔した。
「…あ、どうも。初めまして…ゆいちゃんとお付き合いさせて頂いております、瀬戸涼太と申します」
なんて、まるで実家に挨拶に来たかのような丁寧な挨拶をする瀬戸くんを見て佐々木さんは嬉しそうに笑った。
「ゆいちゃんはウチの看板娘で、自慢の可愛い娘みたいなもんだから。大事にしてあげてね?」
っと、温かい言葉を掛けられ少し恥ずかしくなって俯いてしまう。
「もちろん、僕にとってゆいちゃんは生涯最後の彼女なんで…誰よりも幸せにしてみせますよ」
そんな瀬戸くんの返しに余計に恥ずかしくなり、思わず顔を手で覆ってしまった。
「素敵な彼氏が出来て良かったね、ゆいちゃん。今日はもういいから、二人でデートでもして帰りな」
佐々木さんはお店に並んでいるお惣菜を沢山プラスチックの容器に詰めてくれて、持ち帰り用の袋に入れてそれを瀬戸くんに手渡した。
「ゆいちゃんお手製の惣菜、味わって食べてね」
「……しっかり写真に残してから、有難く頂きます」
佐々木さんのご好意に甘えさせて貰うことにして…尊い二人のやり取りを聞き流しながら、着ていたエプロンを脱いで帰り支度を始めた。



