ゆる彼はエモく尊い【完】



「……だから、結花は俺のだって全校生徒に分かるように…これ、付けてくれる?」


これ…と言って瀬戸くんは自分の胸元に着いている名札を外すと、それを私の手の上に乗せた。



「代わりに結花の名札、俺にちょーだい?」



この学校のカップルの間で流行っている名札の交換。テスト期間にちゃんと自分のものを付けていれば普段先生に注意されることもない。



まさか、自分がそんなリア充の仲間入りを果たす日が来るとは。



「俺の苗字、結花にあげる。今日から結花は”瀬戸 結花”だから…よろしくね?」



って…サラッと凄いことを言ってのける彼は、やっぱり天下の瀬戸涼太サマだ。


同じように自分の名札を外して、それを彼の胸ポケットの辺りに付けてあげると…とても愛おしいものを見つめるようにして”臼井”と書かれた名札を指でなぞると、、



「…これで常に一緒だね、俺の心臓は結花のものだよ」


なんて、静かに名札に向かって語りかける彼を見てこちらが赤面してしまう。



瀬戸涼太のエモは今日も留まることを知らない。