「……結花、行くよ」
再び私の手を握った彼が足を進める前に、グッと引っ張ってみせた。思った通り、足を止めた彼が振り返ったところに…意を決して抱き着いてみた
「…あ、あの……ゆいっ、」
「ごめんっ…!私、間違ってた…お弁当、他の人に勝手に渡してごめんね?本当に、ごめんなさい」
こんなことをしたところで、彼の気持ちが晴れるとは思わないが…少しでも反省している意志を伝えたかった。
しかし、このゆるエモい彼氏瀬戸涼太は…いつも私の考えの少し上を生きている。
「……ゆいちゃんっ、いい匂い。やわらかい、可愛い」
「…えっ、」
「あ……うん、山岡のことはめちゃくちゃムカつくし勝手に呼び捨てで呼ばれてる結花のこともバカヤローって思ったけど今ので帳消し、むしろご褒美…ありがとうございます」
むぎゅ…っと私よりずっと背の高い彼が包み込むようにして抱き締め返してくれる。
「手…痛かったよな、俺の方こそごめん。結花のことになると…俺って暴走するクセがあるみたい。」
「……瀬戸くん」
「でもさ、結花は俺んだから。山岡にも、他の奴にも絶対あげたくないし、馴れ馴れしくされるのも嫌だ」
……うぅ、りょーたんが可愛すぎてしんどい。



