ゆる彼はエモく尊い【完】



「はいはいはい、二人で結花のこと取り合うなら私が結花を連れて帰るけど…どーする?」


救世主のごとく現れた菜摘により、睨み合っていた二人が距離をとって離れた。そしてすぐさま私の元へやってきた瀬戸くんは、、


「…ゆいちゃん、帰ろ」


っと言って私に手を差し伸べてくる。



もちろん迷うことなくその手を掴めば、そのまま強引に手を引かれ教室を出ていくことになってしまった。




「……あの、瀬戸くん」



掴まれている手が少し痛くて…声をかけてみるものの彼には私の声なんてまるで届いていないみたいで…ただただ無言で歩き続ける。



下靴に履き替える際、一度離された手を見てみると…とても赤くなっているのが見えて、、その瞬間自分の愚かさを呪った。



…お弁当…山岡くんに渡すんじゃなかった。



いくら彼が善意で食べてくれると言ったとしても、あの場合しっかりと断るべきだった。こうして瀬戸くんが後から傷つくことになるなんて…あの時の私は想像もしなかった。