「…それで、何で別れるとかいう話になるの?」
「…逆に、何で別れなくていいの?私と瀬戸くんじゃ経験値が違うから…合わないって、そう思ったから」
「なにそれ…誰に言われたの?ていうか、俺の経験値ってどれくらいだと思ってる?悪いけど俺…結花が思ってるよりずっとダサくて情けない男だから、そんなに経験積んできてないよ?」
瀬戸くんはどうして私のことを追いかけて来てくれたのだろうか?自ら私に別れを告げる為じゃなかったの?
「まず、昨日のことだけど…本当にごめん。俺…結花と初めて……その、、キスっ、した時から、なんか自分だけの結花にしたい…みたいな。そんな独占欲みたいなものに支配されて…結花の気持ちも考えずに…暴走した。ほんと、ごめん」
「それは…私がっ、」
「……怖かったんだ。嫌われたような気がして、怖かった。電話に出れば別れようと言われそうで出来なかった。昼だって…一緒に時間を過ごす勇気がなくて、結花のことを後回しにして友達を優先した」
「瀬戸くんっ、」
「俺…球技が苦手で、実は絵だってめちゃくちゃ下手くそで。勉強も…本当は凄く苦手。料理だってまともに作れないし、パソコンとか使えない。そんな…ダサい男なんだよ、俺は」
それが一体どうしたと言うのだろうか。瀬戸くんが不器用なことなんて、今に始まったことじゃないのに。
「それでも俺は、結花が好きだし…大事だと思うから。結花も同じ気持ちで居てくれてるなら、別れたくない。絶対に、別れたくなんかない。傷つけたなら謝る、一生かけて償うから…だから、別れるなんて…言わないで」
あぁ…ほんとにこの人は。どうしてこんなにも尊いのだろうか。先に謝らないでよ…瀬戸くん。
私の"大好き"も…伝えてもいいかな?



