ゆる彼はエモく尊い【完】


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高1の時、俺は結花と同じクラスだった。



その時の俺たちは接点なんてものは…まるで無かったし、正直タイプでもなかった結花のことを気にかけることも無かった。



でも…二学期の最後、みんなでクリスマスパーティをしようということになり…近くのお店を貸し切ったことがあった。



その時出てきたコース料理に焼き魚が出てきて、



「瀬戸く〜ん…これ、食べやすいようにしてよ!瀬戸くんなら絶対魚の食べ方綺麗だし、骨とか全部取ってくれそう!」



なんて1人の女子に言われたことをきっかけに、何故か自分が魚の身をほぐす係をする羽目になった。



しかし、そんな知識など全くもって備わっていなかった俺にとってその時間は地獄で…また余計な劣等感のようなものを抱き始めた。



─…その時だった、女神が降臨したのは。



「いや、男の子で魚の食べ方が綺麗とか…貴族かよ。こーいうのは女の子が腕を奮って好感度、あげるところじゃない?」



と言って、俺の目の前に置かれた焼き魚を別の女子の前に置いたのが結花だった。



「えー…それ失敗したら逆効果のやつ!」


「もう…仕方ないなぁ、じゃあ私の好感度が爆上がりする様をしかとその目に焼き付けるが良い」



しっかり笑いを取りながら、誰一人嫌な気持ちにさせることなくその場をやり過ごした結花に対して…確かに俺の中の彼女の好感度は爆上がりした。