ゆる彼はエモく尊い【完】



「……あー…、なに?急いでるんだけど」


「なにって……今日は翔太の誕生日会でしょ?約束してたくせにブチるってさぁ…人としてどーなの?」


「……誕生日なら昼休みに祝った。放課後まで縛られる義理はない」


「待ってよっ…彼女のところ、行くの?」


「……それ、あんたに関係ある?」



そもそも今日は…昼休みだってゆいちゃんと一緒に過ごしたかった。でも、前から友人の誕生日を祝う約束をしていたのも事実で…結局俺は友達を優先してゆいちゃんことを後回しにした。



理由なんて自分でも良く分かっている。



──…向き合うのが怖かった。



遠足の帰りに初めて結花とキスをしたあの時から、自分の中の独占欲みたいなものが爆発した。



そばに居ると触れたくなるし、誰にも見られたくない。俺だけの結花で居て欲しいとさえ思う。



そんな俺の欲望は留まることを知らず、ついに昨日…暴走を起こし、大切な結花を酷く怖がらせてしまった。