ゆる彼はエモく尊い【完】



「待ってって……言ってるのに、、」


息を整えるように肩で息をしながらも、しっかり私の腕を握っている瀬戸くん。




「……どうして、追いかけてきたの?」



彼が今更私を追いかけてくる意味が分からなかった。




「どうして…って、、それ…聞きたいのは俺のほうなんだけど。どうして他の男に弁当食べさせたりするの?そーいうの…すげぇ嫌だっ」


「うん……だから私、瀬戸くんとは別れる」


「……………………は…?」


「私、瀬戸くんのことが好き…大好きになっちゃったから。だからもう別れる。初めて好きになった人が瀬戸くんで良かった…恋人になってくれてありがとう」


ちゃんと別れの言葉を告げた。好きだってことも言ったし、感謝の気持ちも伝えた。



これでいい。これで瀬戸くんは心置きなく私の事なんて忘れて経験値が同じ、分かり合える男女と楽しいことがデキるようになる。



掴まれている腕を解き、「それじゃあ、誕生日会楽しんできてね」とお別れの言葉を告げて上靴を履き替えて玄関を出た。



瀬戸くんはその場から動くことなく呆然と突っ立っていたが、何か言ってくることもなかった。



──……さようなら、初恋