「…ごめん、今日友達の誕生日で。前から一緒に飯食う約束だったから……ほんと、ごめん」
ごめん、と何度も謝って…私に背を向けて去ってしまった瀬戸くん。それが本当でも嘘でも…今日は一緒にお昼を食べたかった。
昨日はごめんねって、ちゃんと話がしたかった。
それ、全部……私だけ?早くいつもみたいな仲良しの関係に戻りたいと思ったのは…私だけだったのかな?
「……あのー…」
視界が歪み始めたとき、近くで全てを傍観していたと思われる山岡くんに再び声をかけられた。
「それ、要らないなら俺が食べてもいい?」
「………え…」
「瀬戸、食べないんでしょ?ってことは余ってるんだよね?俺…食べてもいいかな?」
「………あ…あぁ、どうぞ」
「っしゃあぁあ!!!女子の手作り弁当、いただき!こんな尊いもん拒否して学食の不味い飯食いに行くなんて、アイツも馬鹿な男だなぁ〜…って、すげぇ何これ美味そう……やばっ、幸せ!!!」
既に自分のお弁当を完食した後だと思われる山岡くんは、私の作ったお弁当をとても美味しそうに食べてくれた。
とはいえ最後まで見届けていると瀬戸くんが帰ってきた時、気まずくなるのは目に見えているので山岡くんにお弁当箱を預けたまま自分の教室へと戻った。



