ゆる彼はエモく尊い【完】



私が泣いてしまったことにより、瀬戸くんからのキスの嵐は中断され…彼は慌てて私から少し距離をとって離れた。



悲痛そうに顔を歪めながら黙って私のことを見ている瀬戸くんを見て”嫌われる”と焦った私は、



「ご…ごめん、ちょっと驚いただけで……もう大丈夫だからっ」



続けていいよ、という意志を伝え…一歩近づいた私から瀬戸くんは逃げるように後退りをしてみせる。



「せ…瀬戸くんっ、」


「……っ、ごめん…ゆいちゃん」



って……私なんかよりずっと辛そうに顔を歪めた瀬戸くんは今にも泣き出しそうな表情を浮かべて私から離れる



「何が…?全然、大丈夫だよっ」


嫌われたくない一心で、何度も”大丈夫”を繰り返す私。それが逆に彼の心を傷つけたのか…私から目を逸らして……



「……調子乗りすぎたっ…本当にごめん。今日はもう帰るね」



っと、私の目を見ることなく自転車に跨り…一度も振り返ることなく猛スピードで去っていってしまった。