ゆる彼はエモく尊い【完】



大きめの二段弁当を用意して、上の段はオカズ…そして下の段は全てラップに包まれたおにぎりで埋められている。



「瀬戸くん、アレルギーはないってことだけ教えてくれたけど…好き嫌いは教えてくれなかったから。サプライズおにぎりにしてみた」



ラップに包まれた無数のおにぎり。全て見た目は同じ、真っ白な白米で出来た丸いおにぎり。しかし中身は唐揚げ、明太子、おかか、梅、昆布、高菜……などなど色んな具が入っている。



「頑張って好きなおにぎりの具、当ててね」


と言って割り箸を差し出して見せると…すぐさまスマホを取り出して私の作ったお弁当を連写しまくる瀬戸涼太。



「いや…こんな楽しいおにぎり、一日で食べ終われる自信ないんだけど」


って……何時間かけて食べるつもり?っと思いながらも彼らしい感想に思わず頬が緩んだ。



「てか、これ何時起き?オカズもこんなにいっぱい…全部手作りだよな…?ゆいちゃん、無理してくれたんじゃ、、」


「私、お惣菜屋さんでバイトしてて。料理は得意な方だから…全然苦じゃないよ。気にしないで食べて?それに、、瀬戸くんに食べて貰えると思ったら嬉しくて…勝手に張り切っちゃっただけ」


「……惣菜屋?それってどこにある?今度行ってもいい?」


「いいけど……ちょっと恥ずかしいな。オシャレなカフェとかファミレスとかで働いてる訳じゃないし……」


「なんで?カフェとかファミレスより、惣菜屋の方がいいに決まってる。オシャレなところとかコンビニで働かれると……変な客にナンパされたりしそうで心配だから」



……私みたいなオカン系女子をナンパする変わり者なんてそう簡単に現れないと思いますけど?