「……瀬戸くん?どしたのっ、」
「………いいの?」
「なにが…」
「いや、その…俺の分とか、、お弁当、、」
付き合いが長くなってくると、語尾がどんどん小声になっていく彼の声を拾うことに慣れてきた。
「うん。迷惑じゃないなら…ぜひっ、」
「迷惑なわけないっ!!」
なんて…突然声を張り上げた彼に私はもちろん、周囲に居た学生たちも振り返って瀬戸涼太のことを見つめている。
「あ…ごめん、、」
っと恥ずかしそうに俯いて…再び足を前に進めた彼に続いて自分も隣を歩く。
「その、、ゆいちゃんが大変じゃないなら…ぜひ…お願いしたい…です」
私がお弁当を作る、ということが瀬戸涼太の中ではかなり大掛かりなイベント事になっているみたいで…なんだかハードルがとても上がった気がするのですが、、
「苦手な食べ物とかあれば、教えてね?」
全力を尽くしたいと思った。彼の喜ぶ顔が見たくてたくさん練習しておこうと思った。それなのにこの男は、、
「ゆいちゃんが作ってくれる食べ物に苦手とかない。アレルギーがあったとしても食べる。」
なんて、今日も私の心を鷲掴みにして離さない。



