ゆる彼はエモく尊い【完】



「うん、私…瀬戸くんと回りたいから、菜摘は海司くんと回ってよ。よろしくね」



本音を言えば彼氏とデート…より友達とワイワイ水族館を回りたかったが。ここは私が気を利かせてあげるべきだと思い瀬戸くんの名前を使わせてもらったところ、、



「ゆっ…ゆいちゃん、今のホント?」


っと、何やら驚いたような声が聞こえてきて…ゆっくりと振り返ると少し頬を赤く染めた瀬戸涼太の姿があった。



「…あ……うん、瀬戸くんと回れたら嬉しいなぁ〜って話してたところで、」


「それ、俺もいま同じこと言おうと思ってた」



こんなはずでは無かったのだが…隣にいる菜摘に視線を送ればニヤニヤと冷やかしのような視線を送ってくる。



「今日の帰り、詳しく話そう」



それは”一緒に帰ろう”というお誘いも共に込められていると判断し、大きく頷いて見せると…嬉しそうに笑った彼は教室を颯爽と出ていった。




「瀬戸涼太、臼井さんにゾッコンじゃん」




とクラスメイトたちからの冷やかしの声を受けながら、瀬戸くんとの遠足のことを想像しては一人赤面し…恥ずかしくなってきて机に顔を伏せた。