放課後、カバンの中にノートやら教科書やらを放り込んでいると…「あ…瀬戸くん、、」っという声が教室の後ろの方から聞こえてきて…無意識に視線を送ってしまう。
「結花、彼氏来てるよ!か・れ・しっ!!」
なんて…菜摘がわざとらしく大きな声で言うからクラスメイトたちはザワつく。
恥ずかしくなって来て…カバンを掴んで駆け足で瀬戸くんの元まで向かい、彼の手をとって急いで教室を出た。
誰かと誰かが付き合った…みたいなゴシップは、みんな大好物だから、、しばらくは好奇に満ちた眼差しで見られるだろうなぁ……なんて思いながらしばらく歩き進めたとき、、
勢いで瀬戸くんの腕を掴んでしまっていたことに気付いて慌てて手を離した。
「っご、ごめん!!勝手に触っちゃって……」
すぐに謝って彼の顔を下から覗き込むと…下唇を軽く噛んで、なんだか泣きそうな表情を浮かべている。
一体どうしたというのか、心配になってきてオロオロと慌てふためく私に─…
「俺がっ……連れ出したかった」
っと、またもや理解不能な文言を述べた瀬戸涼太は…離れたばかりの手で、今度は私の手のひらを取ると、そっと指を絡めた。
「ゆいちゃんは、俺の彼女だから…俺に守らせて」
なんて…私みたいなオッサン女子がこんな甘いセリフを囁いて貰える日が来るとは。しかもとびきりイケメン瀬戸涼太に…これはきっと前世、ご先祖さま方の行いが良かったのだろうな。



