バンッ…っと、教室の後ろのドアが音を立てて開いたかと思うと…機嫌の悪そうな涼太くんがこちらに向かって歩いてくる。
「あーあ……彼氏サマ、お怒りのご様子です。ゆいちゃん早く瀬戸くんの怒りをしずめてあげて」
菜摘が楽しそうにこちらを見ながらそんな冗談を言ってくるから…更に涼太くんの表情が曇っていくのが分かった。
……このまままでは、マズい。
っと思った時には既に遅かったみたいで。
「いまさっき…結花のこと”可愛い”とか言ったの誰?純粋でウブとか、色気が出てきたとかっ…全部聞こえてたんだけど」
ぐるっと教室を見渡した涼太くんは、近くに座っていた一人の男子生徒をジッと睨みつけた。
「……え?いや、俺じゃないっ!……可愛いって言ってたのは園田で…純粋とか何とか言ってたのは大岡!っで色気が出てきたとか話してたのが山下と新城で…俺は別に臼井さんのことは何とも思ってません。ただの傍観者です、すみません」
睨まれたことに恐れたのか…何もかも暴露したその男子生徒は、周りの男子たちから”余計なことを言うな”という目を向けられている。



