ゆる彼はエモく尊い【完】



「劣等感…なんて程じゃないけど。綺麗な人や可愛い女の子を見る度に…涼太くんには私よりもっと似合う人が他に居るんじゃないかって、思うこともあって。」


「……ゆいちゃん、怒るよ?」


「だって、そうでしょ?経験値が違うって話、前にもしたけどさ…さっきの元カノの話だって本当は少し…嫌だった。」



”思ったのと違った”と言って元カノに振られたと言っていたけど、それは裏を返せば彼女の方から別れを告げたということだ。


私を好きな気持ちを”初恋”だと言ってくれたことは嬉しいが、自分から別れを告げた訳では無い当時の元カノに…よりを戻そうと迫られたりしたらそっちに行ってしまうのではないかと、嫌でも考えてしまう。



「私は涼太くんしか知らないから、毎回初めてが更新されていく。今だって凄く緊張してるし…指輪を貰えるなんて思ってなかったから、本当に嬉しくてっ」


「ゆ、ゆいちゃんっ…泣かないで、、」


「違うのっ…嬉しくて、涙が出てくるの」



ドーン…っと花火が打ち上がる度に、涙が頬を伝って零れ落ち浴衣にシミを作っていく。


そんな私を見て優しく微笑んだ彼は─…



「……抱き締めても、いい?」


なんて、少し恥ずかしそうに頬を赤く染めて尋ねると…私が頷いたのを確認してから身を乗り出してきて…ギュッ、と抱き締めてくれた。