お年寄りや犬の散歩コースなどになりそうな感じの、小さな花壇とベンチがひとつだけ設置されているその場所は…本当に人に知られていないのか、私たち以外に誰も居なかった。
瀬戸くんは繋いでいた手を離すと…少しだけ汚れていたベンチに、彼の私物だと思われるタオル地のハンカチを敷きはじめ、、
「この上に座れば…浴衣、汚れずにすむかな?」
なんて…優しさが無限大の瀬戸くんの心遣いを無駄にするのも申し訳ないので有難くその上に座らせてもらった。
すぐ隣に腰掛けた彼は、手に持っていた袋を膝の上に置いて…先程購入したものを一つずつ取り出し始めた。
「……うわ、たこ焼きが潰れてる…あれ?これってイカ焼き?いやいや待って、鯛焼きにソースがついてる!!」
タコ、イカ、鯛…って海の幸みたいに聞こえるが全て屋台で購入したお祭りと言えば食べたくなるようなフードばかり。
案の定、袋の中で既にお祭り状態だった食べ物たちを見て瀬戸くんは残念そうにしているけど…そんな彼の姿を見られて私はとても楽しい気分だった。



