幼馴染はお医者さん


症状が落ち着いてすぐ
内藤先生がきて心エコーをした

上半身脱いでの検査で恥ずかしかったから愁くんには
出て行ってもらった

その後もレントゲンを撮ったり
採血したりといっぱい心臓に関する
検査をした

退院はできない

自分でもわかってる
だけど悔しくて寂しくて
何する気力も出ない

幸いなことに点滴を入れてから
心臓が痛くなることもないし
トイレに行くだけで息切れすることも無くなった

夕方になってお父さんとお母さん来てくれた

母「きり、大変だったね、よく頑張ったね」

全部愁くんが言ったんだろう

「...」

父「退院したら美味い飯食いに行くぞ、きり」

「...」

誰とも話す気になれない
ごめん

面会時間をおえて2人とも悲しそうな顔で帰った
心配させたくてそんな態度を取ってるんじゃない
本当にごめん

その後夜の消灯になっても何をする気も起きず
愁くんが来てくれても目も合わせられない

「きり、また明日くるから、おやすみ」

何も言わない私に頭を撫でて部屋を出た