◯愁サイド◯

きりのことが気になりつつも救急に呼ばれて
なかなか病棟に上がることができなかった

気づけば昼前になってしまって急いで
きりの病室に行ったけど間抜けの殻

でもバッグや携帯は俺が持ってたから
病院の外には出てないはず

院内を少し探したら
一階の中庭のベンチに座ってるきりをみつけた

「きり、お待たせ」

「愁くん...」

「携帯とバッグ、部屋に置いた」

「わかった...ありがとう」

「いつからここにいるの?」

「わからない、携帯ないから時間わからないし」

「そっか、ごめんな」

「...」

やっぱいつものきりではなく
悲壮感が漂っている

「風邪ひくと喘息もひどくなるから部屋に戻って」

本当は好きなだけ好きなことさせてやりたいけど
俺は1週間できりを退院させないといけない
少し厳しくしないと、、、

「...」

反応がない

「きり?」

「愁くん、忙しいんでしょ
こんなところにいちゃダメ、しっかり仕事しなきゃ
私ももう少ししたら戻るから気にしないで」

きりは俺と目を合わせることなく
ベンチを立ち歩いて行った

もう少ししたら戻る?

俺は今すぐに戻って欲しい

きりのあとをおった