幼馴染はお医者さん

◯愁サイド◯

...プルルル

「はい」

『外来中すみません。
川口さんが病室からいなくなりました。
荷物も全てなくなっています』

午前の外来の診察中に
病棟の看護師から電話が来たがきた。

昨日の夜から確かに
様子は変だったが流石に病院から
いなくなるとは思わなかった。

...プルルル

外来の診察の合間にきりに電話をかけた

『...おかけになった電話番号は...』

電源が切れている

今すぐ探しに行きたいが
外来の患者さんも待っている

診察を進めて昼休憩になってから
きりのお母さんに電話をかけた

...プルルル

『もしもし、愁くん?』

「おばさん、きり帰ってきてない?」

『いや...帰ってきてないけど...』

「ごめん。きりが病院からいなくなった。
今日、俺外来で少しきりと離れてたんだよ。
昨日の夜中、泣いてたし様子おかしかったから
そろそろ限界がきてるのはわかってたんだけど...」

『えー。』

「とりあえず俺、今日の晩は思いつくところ探し回る。もし帰ってきたら俺に連絡ちょうだい」

『わかった。私も探してみる。』

「ごめんね、おばさん。」

電話を切った後
俺の母さんにも連絡を入れて
きりを見かけたり家に来たら連絡をしてもらえるようにした。

昼からの外来も終えて病院を出た