幼馴染はお医者さん



愁くんはバイクで出勤していた

「俺、家帰って車取ってくるわ
ちょっと待ってて」

「いいよ、歩いて帰れる
家すぐそこでしょ」

「心臓の負担にもなっちゃうし
きりのおじさんとおばさんに話ある」

「なんの話?」

「いいからいいから」

「バイクあるならそれでいいよ」

「上着持ってないだろ」

...確かに
半袖だ

足はねを恐れて半袖だとバイクに乗せてくれない

「...ない」

「いいや、俺のパーカー貸してやる
これ来て待ってて、バイクもってくる」

愁くんはバイクをとりに行って私にヘルメットをかぶせた

「乗って」

乗り慣れたバイクにまたがって出発
行き先は私の家

理由はわからないけど
私のお母さんとお父さんに用事があるらしい

21:30
バイクを止めて家に入った
お母さんもお父さんもリビングでテレビを見ていた

「おかえり」

お父さんがびっくりして私たちをみた

「2人とも、どうしたのこんな時間に」

「おじさん、おばさん、やっと俺
きりに気持ち伝えられた
ありがとう応援してくれて」

「お父さんもお母さんも知ってたの?」

「おじさんには俺が高校生の時から話してた」

「うそ、そんな前から?」

「私はこの前お父さんから聞いたの」

お母さんが悲しそう

「...そうなんだ」

「まぁでもよかった
2人がお互いのこと思って大事にしろ」

お父さんの言葉は昔から心に響く

愁くんが私を大事に思ってくれてる分
私も同じように愁くんを大事に思う
約束する

「ご飯食べたの?」

お母さんがキッチンに立って私たちに聞いた

「まだ」

「食べてく?」

「はい!」

愁くんが元気に返事した
お腹減ってるんだろう
私倒れちゃったから遅くまで付き合わせちゃったなぁ

お母さんのお手製コロッケを私と愁くんで食べて愁くんの家に帰った