ナル君は妹溺愛症候群!



ルナちゃんという言葉に完全に打ちのめされた私とは違い、タラちゃんはこの時を待っていたと言わんばかりに成川くんに食ってかかった。


「そのルナちゃんって子のこと、好きなの?」

「ん?透子、どした?なんでちょっと不機嫌、」

「似てるって何?絃の方が余裕で可愛いでしょ。その女の代わりに何か都合のいいように利用しようとか思ってるなら…許さない」


友情に熱いタラちゃん。ちゃちゃを入れる山田くんには見向きもせず、真っ直ぐ成川くんを見てそう言い放った。


「へぇー…そう。」


タラちゃんに絡まれた成川くんは落ち着いた声でそう返すと、私の肩に乗せていた腕をおろし……


「なら俺は、ルナを悪く言うアンタのことを許さない」


って…彼の心が完全にルナさんのものであることが明らかになったところで。



「ご、ごめんごめん!俺が余計なこと言ったから…マジでごめん!ほんっと、ごめん!深い意味とかないから、気にしないで!うん…食べ終わったなら行こうか…凪琉!」



睨み合っている成川くんとタラちゃんから、不穏な空気を感じ取ったのか…その空気をかき消すような明るい声を出して立ち上がった山田くん。


成川くんとタラちゃんの冷戦はしばらく続いたが、先に目を逸らしたのは成川くんで。ため息を吐きながら席を立って、食器を手に持って立ち去ってしまった。