ナル君は妹溺愛症候群!



学校に到着し、教室に入ると「おはよう」という声があちらこちらから飛んでくる。


おはよう、と何人かに声をかけて自席に腰を下ろすと親しい仲である磯野《いその》 透子《とうこ》が前の席に座りこちらを振り返る。


「おはよう、絃。」

「あっ、おはよ!タラちゃん。」


某国民的アニメのキャラと同じ苗字である透子のこと私は親しみを込めて“タラちゃん“と呼んでいる。


「なんか絃がナル氏と一緒に居るところを見たとかいう輩が何人か居るんだけど。……妄想?」


タラちゃんは成川くんのことを“ナル氏“と呼んでいる。響きがナルシストみたいに聞こえるから辞めてくれ、っと頼んだのだが…特に意味は無いと言ってナル氏呼びを継続している。



「妄想だと思うじゃん?私も最初はそう思ったんだけど。どうもこれ、現実みたいで─…」


成川くんの友達第一号になる事が出来た経緯をタラちゃんに話せば、彼女は目を丸くして驚いた表情を見せたあと……


「傷を抉るようで申し訳ないけど、あんた…物凄く重要なこと、一つ忘れてないか?」


っと、なんとも気になる発言をしてきたので身を乗り出して「何が?!」と聞き返してみる。