──もう一人の雪だるまを作り、並べてあげたわたしたち。
小学生以来の雪だるま作りに、二人して手の冷たさそっちのけで夢中になったため、手先は赤くなっていた。
息を吹きかけてあたためることを試みるも、大した意味は成さない。
すると、香月さんの冷えた手がわたしの手に重なる。
「早く中に入ってあたたまろう。温かい飲み物いれるからね」
「……はいっ」
鈴の音を響かせる店内に入り、香月に手を引かれながらカウンター席へ。
そっと離され、香月さんはわたしに微笑む。
わたしは席にすわり、おしぼりを袋からあけて手を拭いてると、ホットタオルを香月さんが差し出してくれた。
「雪だるま作りをした後に必要かなって思って用意してたんだ」
「ありがとうございますっ温かいです……あっ香月さんの分は?」
「大丈夫。ちゃんとあるよ。ありがとう」
良かった。香月さんの分をわたしにまわしてくれたのかと思った。香月さんだからわたしを優先にしてくれそうだから……
「あー、冷えた手には最高のあたたかさ。……っと、はいお待たせ、ホットココアだよ」
「ありがとうございます」



