無事に自分へのお土産も買って、それからドライブ。
道路はそれなりに混んでいたけど、
紅葉シーズンということもあり、木々の多い通りはすごく綺麗で、香月さんとの会話が盛り上がった。
大きめの公園で小休憩を兼ねて、紅葉狩りも。
落ちてきた葉の中で、いかに綺麗なものを見付けられるか、という勝負を何回もしたわたしたち。
「これはどうですかっ」
「うん、なかなか……でもこっちはどう?」
「なんて綺麗な葉……香月さん探すのうまくないですか?」
「そう?」
わたしが渾身の一枚を召喚しても、香月さんの方が綺麗という……
惨敗だった。
「ちょっと悔しいなぁ」
「ふふっ、俺の圧勝だったからね」
「でも結構惜しかったでしょう?」
「そうだね、どれも綺麗だったよ」
「ありがとうございます……」
車に向かう途中、そんな会話をしていると、香月さんが不意に立ち止まった。
「香月さん?」
「また来年も、勝負しようね。……美羽」
「っ!」
微笑みながら名前で呼ばれ、
心臓が大きく高鳴った──
「……はいっ」
そしてまたゆでダコになったのだった──



