煌めく星の世界から扉一枚の先に出れば、すごい現実に戻される。
明るさに目を慣らすため、瞬きを繰り返してやっと慣れた頃……
「……香月さん、いつまで笑ってるんですかっ」
「だって、俺が寝てると思って覗いたんでしょう?目を開けた時の慌て方が可愛くてっ」
ずっとこの調子。
笑ってくれるのはいいけど、その要因がわたしの慌て方って。
素直に喜べない。
香月さんの笑いがおさまるように願いつつ、フロアの移動をしていると、おみくじコーナーが目に入った。
「星おみくじ……」
「ふぅ……やる?おみくじ」
わたしの後ろから香月さんが付いてきて、横に並ぶ。
「大丈夫。おさまったから」
「ならいいんですけど」
二人でおみくじを引いて、星形の紙を開いてお互いに確認する。
全体運や健康運、金運に恋愛運が星五つで評価されたおみくじだった。
──金運だけ、星二個……なぜ。
全体運と健康運は星三個、恋愛運は四個でそれなりにいい感じ?
「香月さんはどう……」
読み終わって顔を上げたら、渋い顔をする香月さんが。
え、どうしたのっ?
ちょっと背伸びして覗いてみると、そんなに悪い気はしないかと思いきや……恋愛運の星が一つにも満たない半分だけだった。
さすがに文字は読めなかったけど。
「……香月さん、なんて書いてあるんですか?」



